普通に生活していて、健康であれば、
呼吸法の効果に、興味が沸く方は、
少ないだろうなと思います。

呼吸とは、吸って吐くことの繰り返し
生命維持に欠かせない動作で、

健康維持促進だけでなく、若返り、
長生きするための秘訣でもあります。


呼吸の作用

体内に新鮮な酸素を取り入れ、
血液中の二酸化炭素を排出します。

これは、肺を中心に行われるので肺循環
もしくはガス交換と言います。

もう一つは、体の各組織や器官に酸素
や栄養を配給し、老廃物や炭酸ガスを
運びだす大きな循環を体循環と言います。

酸素が体内に取り込まれると、
血液内の赤血球とくっついて
各細胞に届けられます。

酸素は細胞が増えたり、
働いたりするのに多く必要です。

酸素が不足するとせっかくの栄養素を
使いこなせず循環がうまくいかなくなり、

細胞の活動が低下し身体に
色々な害をもたらします。

必要十分な酸素が身体中に行き渡っていると
細胞や血液、そして臓器がきちんと自分たち
の役割を果たします。

脳に十分な量の酸素が届いている
ことはとても重要な身体のしくみです。

酸素とブドウ糖は脳にとって
最も大切なエネルギー源です。

これらが充分に脳に届くと、
脳の働きが活発になり、

身体に有害な乳酸(疲労をつくる物質)の
濃度が下がり、疲れにくい状態になり
「集中力」や「記憶力」が高まります。

脳は同量の筋肉の10倍の酸素が必要で
酸欠になると身体よりもまず脳が
麻痺してしまいます。

脳は心臓からの充分な酸素を含んだ
血流量を身体全体に対し、
およそ20%が必要と言われています。

例えば
脳に血流が10秒以上
届かないと意識を失います。

ブドウ糖は体内に多く備蓄できず、
食後ほぼ4時間で吸収が終わります。

足りなくなったブドウ糖の補給には
肝臓などに蓄積されているグリコーゲンを
ブドウ糖に換えて脳に供給し、
約12時間ほどまかなうことができます。

それを超えてブドウ糖の供給が断たれると
神経細胞は死滅してしまうそうです。

酸素は呼吸で取り入れられた場合、
決められた量を守り血液に溶けるのですが、

高濃度の酸素を気体で吸いすぎると
急激に酸素が脳に集まり

酸欠と似た症状(頭がふらふら)が
出て脳に弊害が起きます。

60%以上の高濃度酸素を12時間以上
吸引すると、肺の充血がみられ、

最悪の場合、失明や死亡する
危険性があるとのことです。


健康に効果的な呼吸法

人間、動物は産まれた瞬間から
自分の力で呼吸をはじめ
「天の気(空気)」
を体内に取り込みます。

我々が生きていくうえで
飲食も大変重要なことですが、
呼吸はもっと重要なのです。

食事は
1日に3回~4回が基本ですが、

呼吸は
24時間で21600回
(1分間に15回)
もしているのです。

日常生活で呼吸を意識している方は
少ないと思いますが、

ここで呼吸の大切さを再認識
してみてはいかがでしょうか?


胸式呼吸と腹式呼吸

日常生活における呼吸を観察すると
胸式呼吸をする方が比較的多いようです。

胸式呼吸とは、

主に肋間筋(胸部)の
運動により行われる呼吸で、
浅く、早い呼吸が特徴です。

腹式呼吸とは、

横隔膜の上下運動による呼吸で、
お腹をふくらませて息を吸い込み、
お腹を引っ込ませて息を吐き出す
呼吸のことです。



健康に効果的な呼吸法とは腹式呼吸で、
良い気(空気、酸素)を深く身体に取り入れ、
悪い気(邪気、二酸化酸素)を最大限に
排出します。

この呼吸法のことを、
丹田呼吸法と呼びます。

丹田呼吸法を続けていると
内臓の働き、血行を促進する作用があり
自然治癒力をたかめ老化防止に役立ちます。

現在は、ストレス多き時代で
緊張と、頑張ろうとするあまり、

深い呼吸(腹式呼吸)があまりできず、
浅い呼吸(胸式呼吸)だけで
日常生活を送っている人が多いです。


丹田呼吸法(腹式呼吸)やり方

それでは、正しい腹式呼吸の基本を説明します。

お臍(ヘソ)の下3センチ位の場所が
丹田と呼ばれています。

この場所、丹田を頂点にして
お腹を最大限に膨らませて息を吸い込み、
お腹を最大限に引っ込ませて
息を吐き出すことです。

まず最初に息を「吐く」ことから始めます。

ゆっくりと、細く、長く息を吐きながら
両手で丹田を意識しながら
お腹をへこませます。

これは、横隔膜が上がることによって
内臓が押し上げられお腹がへこむのです。

この時に息(邪気、二酸化酸素)を
最大限に排出することが重要です。

次に、ゆっくりと丹田を頂点に、
お腹を膨らませながら、
ゆっくりと息を「吸い」はじめます。

吸えるだけ吸ってみましょう。
これは、横隔膜が下がることによって
内臓が押し下げられお腹が膨らむのです。

これを繰り返し行うのが
正しい呼吸法の基本です。

このようなゆっくりとした呼吸
(長息)を行っていると、
心も身体もリラックスします。

日常生活の中で無意識で行うことが
理想ですが、最初からうまくは
できませんから、まずは意識して
はじめてみましょう。

とにかく慣れること、
続けることが大切です。

この丹田呼吸法が上達していくと
横隔膜を最大限に上下させることができます。

横隔膜を最大限に上下させることは
内臓機能を活性化させる作用があり

自然治癒力を高め老化防止、
長生きする秘訣の1つで、

内臓強化マッサージ法
とも呼びます。

血行も良くなり身体がとても楽に
なりますので習得してみては
いかがでしょうか。